スタンフォード大学では、教授が中心となって企業化することは日常的なことであり、シリコン・グラフィックス社とネットスケープ・ナビゲータ社の設立で大成功を収めたジム・クラーク教授など多くの例があります。これに対して日本では国立大学、特に旧帝国大学を中心に一流の人材が集積しているものの、教員は国家公務員であるという制約があります。つまり、憲法で明言されているように国家公務員は全体の奉仕者ですから、特定企業の役員にはなれないのです。このために産学協同との名の下で、企業は奨学寄付金などの名目で資金を提供し大学での発明を譲り受ける、共同研究者として企業の研究者がスタッフとして働いて研究成果を持ち帰るといった形での技術の移転が行われてきました。幸い、2000年4月には、人事院規則の改定によって「技術活用型の兼任」が認められることとなりましたので、今後は学者によるベンチャー起業が盛んとなるものと期待されています。
インターネットができあがると、今度はそのインターネットの環境のなかで、人間がどのように変わっていくかということを、誰もが考えることができるようになります。その環境は、デジタル・テクノロジーと人間の関係を考えるためのプロトタイプであると言えるかもしれません。つまり、デジタル・テクノロジーが人間のいろいろな知的活動を支えるようになった現代に、デジタル・テクノロジーの上で、人間や世界がどのように変わっていくかということを考えるための体験の場というわけです。インターネットが持っているいろいろな意味のうち、もっとも大きいのはそのようなことではないかと、今や世界中の人々が思っています。これからますますインターネットの重要性がとわれるでしょう。
コアコンピタンス業務をWebサービスとして有料で公開し、新しい収益ビジネスにできる場合もあります。不特定多数のユーザーに利用してもらう商用Webサービスという新しいサービス形態です。契約ベースの課金方法もありますが、使用した量に応じて課金される、従量課金型の収益モデルが考えられます。商用Webサービスにより、ASPサービスにも活況がもたらされるともいわれています。機能提供型のWebサービスであっても、Webサービス自体を有料にするのではなく、間接的に利益を得るビジネスモデルもあります。たとえばAmazon社の場合、商品カタログをWebサービスで無償で提供し、これを利用したオンラインショッピングサイトで商品が売れると、紹介料を支払います。Amazon社はこれらのサイトを介して販売機会を増やすことで利益を得るのです。